骨粗鬆症
~脆弱性骨折をおこさないために~
骨密度は女性の場合、50歳前後から低下していきます。加齢によって骨密度が低下するのは、女性ホルモンの分泌量減少に加えて腸管でのカルシウムの吸収が低下したり、カルシウムの吸収を助けるビタミンDをつくる働きが弱くなるなどの理由があります。
その他にも、糖尿病、慢性腎臓病、長期臥床、副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、クッシング症候群、関節リウマチといった疾患で二次的に骨粗鬆症が進む場合もあります。
骨粗鬆症が進むと、しりもちをつくなどの些細なけがで骨折を起こします。
腰椎圧迫骨折、大腿骨近位部骨折、橈骨遠位端骨折、上腕骨近位端骨折などは骨粗鬆症がある方に多い骨折です。脆弱性骨折と呼ばれています。また、脆弱性骨折は治療を行わないと複数部位に続けて起こると言われています。高齢者の方がそのように複数部位に骨折を起こしてしまうと要介護状態・寝たきり状態となってしまいます。
自分の足で長く健康に生活するためにも、早期に骨粗鬆症治療を行うことが大切です。
当院ではDEXA(Dual-energy X-ray absorptiometry)法と呼ばれる、日本骨粗鬆学会ガイドラインで推奨されているX線骨密度測定装置を導入しています。検査時間は15分~20分程度で当日に結果をお渡しします。骨量(骨密度)の減少具合を確認して、患者さんと相談の上ご本人にあった薬物治療を提案し選択してもらいます。また同時に普段の食生活の指導や運動療法の指導も行っていきます。
DEXA法とは
DEXA法とは骨に2種類のX線を当てて骨以外の組織(軟組織)の影響を取り除いて骨密度を測定する方法です。この方法は国際的にも検査の基本とされる方法で、日本骨粗鬆症学会でも推奨されています。早期の骨粗鬆症診断と治療効果判定に役立ちます。検査は撮影台に横になっていただくだけで行うことができ、痛みがなく短時間で終了することも特徴です。
測定結果はすぐに出ますので、当日結果についてご説明し、印刷したものをお渡しいたします。また、結果は保存いたしますので、定期的な検査で前回の骨密度との比較もでき、正確な診断・治療効果判定が可能です。
骨密度測定とは
骨密度は骨を作っているカルシウムなどのミネラル類がどの程度詰まっているかを示すもので、骨の強さを判定するための代表的な指標です。骨密度検査では、骨の中にカルシウムなどのミネラルがどの程度あるかを測定します。骨密度の数値は若い人の骨密度の平均値と比べて自分の骨密度が何%であるかで表されます。骨密度が若い人の80%未満になると要注意、70%以下まで減ると、骨粗鬆症と診断されます(骨折の経験がなく、他に骨密度を減らす疾患などがない人の場合)。
骨密度測定はこんな方にお勧めしています
女性
- 45歳以前に閉経した40歳以上の方
- 妊娠期・閉経などの理由以外で12カ月以上、生理が止まった期間がある40歳以上の方
- 卵巣摘出やホルモン補充療法を受けている40歳以上の方
- 危険因子(喫煙、飲酒、脆弱性骨折の家族歴)のある50歳以上の方
- 60歳以上の方
男性
- 危険因子のある60歳以上の方
- 70歳以上の方
共通
- これまでに転倒などで骨折をしたことのある方
- 骨粗鬆症になりやすい病気(糖尿病、関節リウマチなど)をお持ちの方
- 骨粗鬆症を引き起こしやすい薬剤(ステロイド剤など)を投与されている方
ご希望の方は医師にお気軽にご相談ください。
早めの検査でご自身の骨の状態を正しく把握することが大切です。